» 2011 » 3月 » 18

暑さ寒さも彼岸まで、今年も寒い寒いと言いながら本日より、お彼岸の季節がやってまいりました。当山でも3月21日 春季彼岸施餓鬼供養を11:00より執り行います。さて、皆さんがお彼岸やお盆、お会式の時の法要時に卒塔婆(そとうば)を申し込まれます。さて、卒塔婆とは一体何でしょうか?何のためにたてるのでしょうか?

卒塔婆とは、元々お釈迦様の御遺骨を供養するために立てた建物、サンスクリット語の stûpa(ストゥーパ)という言葉が言語で、中国で卒都婆という字があてられました。その後、それは塔を意味することから都婆が塔婆とも書かれるようになりました。塔婆には、各地の大きなお寺で見られる五重の塔や五輪の塔、また、墓地に立てる大きな板塔婆、施餓鬼供養などで御宝前に立てる簡易な木製の板塔婆があります。どの塔婆も五つの形から成り立っており、これは仏教では宇宙が地・水・火・風・空から成り立っており、人間はこの五つによって生かされていると考えられて、それぞれを下から地(四角)・水(円)・火(三角)・風(半円)・空(宝珠)の形にして現したものです。

現在の日本では、一般的にこの卒塔婆に追善供養のために文字を書き、おの脇に立てたり、お寺の御宝前に立てて先祖や故人の供養をします。これは、近代になって行われてきたものではなく、昔から行われてきた追善供養の形でした。

日蓮大聖人が佐渡流罪の最中に幼い娘を亡くし、夫婦で信徒になった中興入道と呼ばれる方がいらっしゃいました。佐渡流罪を解かれ、身延山に入られた日蓮大聖人に娘の十三回忌をお願いするために、中興入道は妻に送られ身延へと向かいました。無事に十三回忌の追善供養も終わり、日蓮大聖人は中興入道の妻にこんな手紙を出しました。

「あなたがた夫婦は、法華経を信じ、この日蓮を養ってくれた。しかも、わが娘の仏事を営み、亡き父母にも孝養を尽くされた。あなたは、これからも、正面に南無妙法蓮華経と書き表わした丈六の卒塔婆を建てて幼い子に供養なさるがよい。この卒塔婆は北風が吹けば、南の海にいる魚たちがそのお題目の風に触れて大海の苦しみから脱し、東風が吹き来たればその反対の西山の鳥や鹿がその風に身を触れて畜生道という苦しい世界を免れて天上界に生まれることができるのである。まして、卒塔婆に随喜をし、手を触れ眼で見る人達の功徳は尊い。現世には寿命を延ばし、死後には父母らと共に霊前浄土に参ることはいうまでもない」

卒塔婆を立てるということには、このような功徳があると日蓮大聖人も仰っております。彼岸やお盆は、亡くなった方の世界とこちらの世界が近くなる期間です。想う方のために南無妙法蓮華経と書いた卒塔婆を立てて追善供養をし、また再会できる日を楽しみに功徳を積まれてください。卒塔婆のお申し込みは当日でもお受けいたします。お誘い合わせの上、お参りください。

三月十一日、午後二時四十六分頃、三陸沖を震源として国内観測史上M9.0という未曽有の大地震が発生しました。沢山の方が亡くなり、未だ行方不明の方も多く、苦しむ方も多数いらっしゃる中、私たちは仏教徒として天災が鎮まることを、お一人でも多くの命が助かること、亡くなられた方の御冥福を祈るとともに、この世界に仏様から遣わされた仏の子どもである私達はお互いに助けあわねばなりません。熊本の日蓮宗青年会は、東北・関東大震災救援行脚を敢行し、義援金集めに熊本市内を行脚し街頭で呼びかけました。この行脚は日曜ごとに熊本県の主要な場所を回り、協力を呼び掛ける予定です。3月13日、熊本市内で行われた行脚に参加して参りました。当山におきましても、この度、東日本大震災救援の為の義援金を皆様にお願いし、春季彼岸施餓鬼法要の際に募金箱を設置させていただきます。この義援金は日蓮宗を通じまして、被災地へお届け致します。

この状況下、私達が今しなくてはいけない大切な事は何でしょうか?テレビでは毎日のように不安を掻き立てる整理されていない情報が流され、都会では日用品の品切れや放射能の誤情報に惑わされるなどのパニックが発生しています。

安易に不安を煽るテレビに惑わされることなく、しっかりと自分で考え、自分のできる範囲で被災地の方の為にできることをやる。一番大切なのは、ちゃんと普段通り生活するということです、普通通りに暮らし、経済活動を行う。被災地の方々が経済活動できない以上、できる人が働きお金を使って生活をしていかねば日本は立ち行きません。七~八百年前にも同じ規模の地震が起こったという事がニュースでやっておりました。その時代は日蓮大聖人や親鸞聖人、鎌倉仏教の祖師達が天災や疫病、苦しむ人々を何とか救おうとそれぞれの教えを説いて人々を救った時代です。日蓮大聖人は未曽有の大災害の原因は、政治や人の心、宗教が乱れたからであると仰られ、人々を救うために布教されました。今、現代同じように社会は乱れています。しかし、私達の文明は当時よりも段違いに発達しています。必ず復興を成し遂げることができるでしょう。それと同時に私達はこの時代、日蓮大聖人が見てこられたであろう未曽有の大災害と向き合い、この問題に法華経の人が互いに敬い、慈しみ、助け合う精神でもって日本人全体でに取り組まなければならないのです。