4月8日 当山におきまして、「花祭り・月例鬼子母神祭」が執り行われました。4月8日はお釈迦様の誕生日です。お釈迦様の誕生を喜んだ竜王が甘露の雨を降らしたことから4月8日の「花祭り」では誕生仏というお釈迦様がお生まれになった姿の仏像に甘茶を注いでお祝いするのです。そして、皆様にも飲んでいただく甘茶をお配りしました。甘茶の効能というのは様々で、外にまけばムカデなどの害虫除けや飲めば糖尿病や、抗アレルギー作用、胃腸や喉などによく効くといわれています。
さて、4月8日にお生まれになったお釈迦さま、俗に言う八万四千の法門と言われるほど膨大な教えを遺されました。その教えがまとめられてお経という形ができあがったのですが、最近ではよく本屋で「お釈迦の言葉」をテーマにした本をよく目にします、その中でもよく使われているお経が「法句経」というお経です。このお経は簡単に言えば「論語」のようなもので、人が生きていくうえでの人生訓をまとめたものです。その中の一つを紹介します。
意(おもい)は諸法(すべて)にさき立ち 諸法(すべて)は意(おもい)に成る 意(おもい)こそは諸法(すべて)を統ぶ けがれたる意(おもい)にて 且つかたり 且つ行わば 輓くものの跡を追う かの車輪のごとく くるしみ彼にしたがわん
意(おもい)は諸法(すべて)にさき立ち 諸法(すべて)は意(おもい)に成る 意(おもい)こそは諸法(すべて)を統ぶ きよらかなる意(おもい)にて 且つかたり 且つ行わば 形に影のそうごとく たのしみ彼にしたがわん
すべての物事は人の意志や想いによって起こっている、それゆえに人の意志や想いこそがすべての物事を支配する。だから不純な動機をもって物事を行った人は、やがては苦しみにつきまとわれることになる。一方、純な意志を持って物事を行う人は、やがては楽しみが影のように離れることなくついてきてくれる。というお釈迦様の教えです。
なるほど。と納得させられた方も多いのではないでしょうか?誰かの為、幸せを願ってやったことは自分自身も幸せにしてくれますが、自分の為、自分の欲の為にやったことと言うのは結局のところ、苦しみを生みだす一つの要因となってしまいます。
書店では今、「お釈迦様の言葉」が本になったものが頻繁に目につくようになりました。それだけ現代社会に礎となる教えが必要になってきているのでしょう。迷われた時、是非お近くのお寺に出かけられて普段からお釈迦様の教えを学び、実践しているお坊さま方を頼ってください。きっとよりよき道を示してくださいます。