3月も本日で終わり、明日から4月新しい年度とともに出会いと別れの季節がやってきます。
そして連日の雨風で桜の花も満開をすぎて散り始めています。
桜ばな いのち一ぱいに 咲くからに
生命(いのち)をかけて わが眺めたり
芸術家岡本太郎さんのお母さん、歌人「岡本かの子」さんの桜を詠んだ短歌です。
桜の花はまだ花弁が白いうちは散ることはなく、充分にその花弁を染めてからひらひらと舞い落ちるそうです。
いのち一ぱいに咲き誇り、そして散りゆく桜だからこそ私達もその生命を感じながら眺める価値があるのですね。
毎年、この季節になると、この短歌を思い出します。
人もまた同じですね。芽を出し蕾になり、養分をもらって色づいて花を咲かせそして時が来れば散りゆく・・・。
私達僧侶の役目は、まさにこの短歌のようなものです。
お亡くなりになられた方のそれまで歩まれた人生、いのち一ぱい咲かれた人生を全身で感じながら、こちらの世界からあちらの世界へと橋渡しをいたします。
満開の桜を見る度に「あなたは一日一日大切に、私のように命を燃やしてちゃんと生きていますか?」教えられているような気がします。