» 2019 » 1月 » 15

亥が最後の理由・・・

| ちょっとしたお話 |
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本日は15日、小正月といいます

昔の日本人は満月が特別な力のあるめでたいものとして考えていたそうで、一年で初めての満月の日を元日としていた名残が「小正月」の起源とされるそうです。

小豆がゆを食べたり、この前後の期間にどんど焼きをして正月飾りを持ち寄って焼いたりします。

どんど焼きは正月飾りの後始末の行事ですが、燃やすときの煙に乗って、新年に訪れた年神様が天上に帰っていくと信じられていました。

その時、棒の先に餅を刺して焼いて食べるとその年は無病息災になるそうです、

荒尾でもいたるところで「どんど焼き」が開催されていましたね~

今年は「亥(いのしし)」年ですね。

イノシシと言えば、ここ数年、お寺の近所でもちらほらと姿を見るようになりました。

2,3年くらい前、お寺の前の炭鉱電車の跡をイノシシ親子が走っていまして、警察官の方々が出動されて大騒ぎになっていましたが・・。

街に下りてきたイノシシが人を襲ったというニュースもありましたね・・・

思えば、2007年の元旦初参りの時に「今年は亥年ですから、猪のように猪突猛進、頑張ります!」と皆様の前で挨拶させていただき、

その年に熊本に戻って妙国寺へ帰ってきて、一回りしたのですから、もう12年目なのですね・・・

 

さて、「猪突猛進」という四字熟語。

意味は「周りの人や状況について考えず、1つのことに向かって猛烈な勢いで突き進むこと」

この「猪突猛進」の意味は、熟語にも含まれている「猪(いのしし)」に大きく由来しています。

猪は、敵と認識した対象に向かって、凄まじい勢いでまっすぐに突進していく動物として知られています。

凄まじい勢いで、かつ走り出したらどうやっても止まらないという猪の突進のイメージから、「猪突猛進」という四字熟語が出来上がりました。

「猛」には「荒々しくて強い」という意味があります、なので「猪」が「猛」烈な勢いで「突進」してくいる様子を、「猪突猛進」という四字熟語は表しています。

 

 

子・丑・寅・卯・・・・戌・亥 十二支で亥は最後ですね。

なぜ最後になってしまったのか、こんなお話があります。

 

むかしむかし、神様が言いました。

「動物たちよ、元旦の朝に集まりなさい。私の元に早く到着した十二匹を一年ずつ動物の王様にしていきます」

そう言われて動物たちは大興奮、元旦の朝、我が先にと神さまの元へ向かいます。

神様のお話をよく聞いていなかったネコはネズミに尋ねます。

「神様のところに、挨拶に行くのはいつだっけ?」

ずる賢いネズミはこう答えました

「あれ、ネコさん、忘れたの?あんまりはしゃぐからだよ・・・正月の2日だよ」

ウシは前の晩からごそごそ支度をしました。

「あれ、もうでかけるのかよ、ウシさん?」

とネズミが聞きました。

「ああ、私は皆より進むのが遅いからね。 今から行けばちょうどいい。」

それを聞くと、ネズミはこそっと ウシの背中に飛び乗った。

ウシの背中はユラユラと、ゆりかごの様でネズミはうつらうつら・・・

やがて朝になり、神様の御殿の門がギギっと開いた。

門の前で待っていたウシが 「よいこらしょ。」と立ち上がった。

するとネズミがちゃっかりと飛び込んだ!

 「1番のりだ!」

トラは足の速いのが自慢でした。ウサギも足は速い。

ゆうゆうと出かけましたが、これが油断でした!

前の晩から門の前にいたウシとネズミには敵いませんでした。

タツがヘビに言いました。

「私は地面をごそごそするのはごめんだね!いつものように雲で行く。ヘビさん一緒に行かないか?」

「う~ん・・・私も皆の通る道は踏んずけられそうで嫌だ。でも雲はもっと恐ろしい。」

ヘビは草むらのわき道をするする行きました。

ウマ、ヒツジ、キツネ、シカ、オオカミ、リス、カメ、イタチは一緒に出発しました。

でもお互いにぶつかったり、つまづいて転んだり・・・

そこをうまくすり抜けて御殿に着いたのはウマとヒツジだけでした。

「イヌさん、どこ行くの?」サルはイヌと会いました。

「お!サルさん!どこって・・・君と同じところだよ」

「おぉ!御殿にイヌさんも行くのか・・・じゃあ一緒に行こう」

「やだよ、君はすぐひっかくんだもん・・」

「なんだって!イヌさんこそ、すぐに噛みつくじゃないか!!」

喧嘩が始まったとき、止めに入ったのはニワトリでした。

「まてまて、正月そうそう喧嘩なんかするなよ~皆でなかよく御殿に行こう」

イヌとサルを並べるとすぐに喧嘩するので間にニワトリが入って、御殿に到着しました。

一方、イノシシ。実はイノシシは走るのが速い。なんでまだ到着してないのだろう・・・

「本当はイノシシさんはトラさんの次くらいに入れたんだけど・・・実は御殿の前を通り過ぎてしまったんだよ」

「ほら、イノシシさんって走り出すと周りが見えなくなっちゃうから・・・・」

急いでUターンしてきたイノシシが飛び込んで12の頭数が揃ったところで門は閉まりました。

「おぉ!集まったか!ご苦労ご苦労!では約束した通り、一番はネズミ。そして、ウシ、トラ、ウサギ、タツ、ヘビ、

ウマ、ヒツジ、サル、ニワトリ、イヌ、イノシシという順番で決めよう」

と、神様は言いました。

さて、ネコは次の日御殿へ出かけ門をたたきました。

「何だ!今頃やってきて、遅い遅い!」

神様に笑われてしまいました。

「さてはネズミのやつ、嘘の日を教えたな。」

それからネコはネズミを追いかけるようになったということです・・・。

勇気をもってイノシシのように真っすぐ駆け出すことは大切ですが、周りをきちんと見渡すことはもっと大切ですね。

 

さて、お正月の期間は大きな意味で言えば1月いっぱい。

1月は皆さん神社やお寺に初詣をしますね。

一月は発心して、新しい目標に向かうスタートの月だから初詣をするのです。

実はその前の月、十二月は反省をする月なのです。一年の反省をし、新しい年になり、最初にこれからの一年、自分はこうがんばりますという誓願を立てるわけです。

一年を反省し、新しい年に正しく修正する月なので「正月」とも呼ぶそうです。

 

なのでこの一月は一年をどう過ごしていくかを考える大切な期間ですね!

 

どうぞ皆様も神様、仏様に「この一年、こうやって頑張っていきます」と約束され手を合わせられてください。

素晴らしい一年になりますよう、妙国寺はお祈りしております。