2月に入り寒波が日本中を襲い、昨年に続いてこの南の国、九州熊本でも雪が降り、珍しく雪がつもりました。大人でしたら、「寒いから外にでるのはやめよう・・・」となりますが、子どもは「雪で遊ぶ、雪だるまつくる!!」と元気いっぱいです。何十年かぶりに童心にかえって子どもと雪だるまをつくりました。少々不格好ですが、赤いバケツを頭にのせて、なんとかかたちになりました。
さて、しんしんと降ってくる雪空を見上げますと、雪は一様に私達に降り注いでいるように見えます。しかし、その雪の中の雪の結晶というものは一つ一つが違った形をしているということをご存知ですか?雪の結晶の研究者である中谷宇吉郎さんは「雪は天から送られた手紙である。そしてその文句は結晶の形、及び模様という暗号でかかれている」という言葉を残されています。
私達人間もひとくくりにすれば「霊長類ヒト化ヒト」であり、人間です。しかし、誰一人同じということはなく一人ひとりがそれぞれの個性を持ち生きています。
人は生まれ、そして死にゆく、一見はかなく、むなしく見えますが、仏教では肉体の滅びがすべての終焉であるとは考えられてはおりません。私達の命は仏様の世界から、父と母との因縁によってこの世界に現れ出て、まるで雪の結晶のように一人一人が違った特別な何らかの役割を与えられて、仏の子としてこの娑婆世界へ使わされていずれは仏様の世界へと帰っていくのです。
雪の中にある結晶の形、及び模様は暗号である。ならば私達が生まれながらに持つ個性や特性は、そのままで、ありのままで自分に自信を持って、与えられた命を一生懸命に生きなさい、そしてその役目を果たし終えたのなら、お疲れ様、よく頑張ったね、自信をもって私の元へと戻っておいでね。という仏さまからのメッセージではないでしょうか?