「私達社会的な弱者は社会にとって『凧の尾』みたいなもんだ、凧は尾があるから安定して飛べるのさ、尾が切れた凧がどうなるか見たことあるだろ?

安定を失ってくるくるくるくる・・・回って回って、ついには落下していくのさ。

社会的な弱者を切り捨てるということは社会がそうなるってことだよ」

 

昔読んだ小説の中で出てきた台詞です

 

先日、起こってはならない事件が起こってしまいました。神奈川であった障がい者施設での殺人事件です。

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この事件を受けて知的障がいのある人と家族で作る「全国手をつなぐ育成会連合会」がこのような声明文を出されました。

 

http://zen-iku.jp/info/member/3223.html

 

「障害のある人もない人も私たちは一人ひとりが大切な存在です。」

この声明文の最後は

「安心して、堂々と生きてください」

というメッセージが添えられています。

 

大阪で大学に在学中、何気なくボランティアサークルに入り様々な施設にボランティアへ行くようになり、その時に施設の利用者さんのお姉さんが

 

「私たち家族は妹がいるから家族みんながハッピーなんですよ!妹がいるからこそ家族はどんなに喧嘩してもまとまっていられるんです。私達家族は妹に支えられているんですよ」

 

と笑顔で仰られていたのが今でも心に残っています。

 

命は等しく平等であり、生きる尊厳というのは誰しも護られるべきものです。

 

仏教的に言うならば誰しもが何らかの役割をもってこの世界に仏さまから遣わされてきて、人それぞれに与えられた役目を果たしてあちらの世界へと帰っていくのです。

だからこそ一人ひとりがかけがえのない命を持つのです。

 

残念ながら高齢者の方々が巻き込まれたり、ホームレスの方々が襲われたり、弱い立場の人間を攻撃するような事件は後を絶ちません。

 

誰しもが仏さまから授かった役目を持つ大切な命です、馬鹿にしたり、攻撃したり、切り捨てるような社会であっては決していけません。