「今の子供たちにはもののありがたさや、目に見えないものを大切に思うこころが大切だ!だから今こそ宗教教育が必要だ!!」

 

と宗教界ではよく聞きます。

 

しかし、「宗教教育」と言ってしまいますと何か堅苦しくって敬遠されがちになってしまいますね・・・(笑)

 

悲しいことに「宗教」という言葉すら今の日本では「え~・・・」って怪しげな目で見られたりするご時世です

 

それを払拭するためにいろんなところで仏教界では若い方々が一生懸命いろんな活動をしていらっしゃいますが・・・

 

 以前読んだ本、今巷によくあります、お寺、お坊さん批判ではなく、世間とお寺の間に何故溝ができてしまったのか?そしてそれをどうやって埋めていったらよいのか?を行政書士の立場から考察されてます、勝桂子さん著「いいお坊さん わるいお坊さん」の本の中でこんな言葉が出てきます。

 

宗教とは執着とは対極にあってカネとモノの鬼神のメッキをはぎとるために存在する。」

 

と書かれています。まさしくその通り。

 宗教は凝り固まった視点や物事の考え方を、もっと違う視点で、やわらかく、おおらかに物事や人生を受け入れるために存在しております。

 そんなことを子ども達や、お寺に来られる方々にどう伝えていったらよいものか?

7,8 2014 110

 

法華経のお経の中で最後の章 「妙法蓮華経普賢菩薩歓発品第二十八」のお経の中のお話です。

 

お釈迦さまが霊鷲山という場所で法華経を説かれているのを、遥か遠い東の国で聞いておりました普賢菩薩(ふげんぼさつ)がたくさんの菩薩とともにやってきます。

お釈迦さまが今まさに法華経を説き終わろうとされています時に、普賢菩薩がこう言いました。

 

「お釈迦様、私達は遥か東方の国において、お釈迦さまが法華経をお説きになられているのを聞いておりましたが、どうしてもお釈迦さまにお尋ねしたいことがありまして、たくさんの菩薩たちと共にこの娑婆世界にやってまいりました。お釈迦様、どうぞ、お教えください。お釈迦さまがお亡くなりになられた後、どうずれば法華経の教えを、真理を理解することができるのでしょうか?」

 

問われたお釈迦様は普賢菩薩に4つの方法を示されました。

 

一、「諸仏に御念される。」 

どんな時どんな場所にいても必ず仏様は見ていてくださる。護っていてくださるんだと信じなさい。

 

二、「諸々の徳本を植えること

つまりは陰徳を積むという事です。いくら立派な事をしても、「私はこんな立派なことをやりました!」というようにそれを自慢し、ひけらしているようではだめです。人に知られようが知られまいが、褒められようが褒められまいが、そんなことは関係なく、コツコツと善の徳を植えなさい。

 

三、「正定聚に入る

自分本位な生き方を捨てて仏さまの教えのままに生きる。自分の生き方が常に自分勝手な生き方、「自分が!!自分が!!」になっていないか?常に謙虚な姿勢を忘れずにいなさい。

 

四、「一切衆生を救おうと発心すること

この世界の人々を、困っている人がいたら自ら救おう!!という仏の慈悲心を起こして行動しなさい。

 

「この四つを成し遂げていれば必ず私が亡き後でも法華経の真理を本当に理解することができるんですよ」

 

と言われたお釈迦様に普賢菩薩は、

 

「あ~なんとありがたいことでしょう。お釈迦様、私はお釈迦さまがお亡くなりになられた後でも法華経を修行するものがあるならば、私が守護いたします」

 

というのが、普賢菩薩勧発品第二十八の一場面です。

 

ここで出てきました、法華経の真理を理解するための四つの項目、振り返ってみますとこの四つこそは「宗教教育」という観点上欠かせない項目なのではないでしょうか?

 

「誰かが見ていなくても、おひさまや、ご先祖さまはちゃんとみていらっしゃる、お天道様はみていなさる。」

 

 

誰かが見ていなくても、ちゃんと自分を見てくれている存在がある、そして大きな優しさで護ってくれている存在がある。だからこそ人に見ていられようが見ていられまいが、褒められようが褒められまいが正しいことをしなさい。

自分さえよければそれでいいという自分勝手な生き方を捨てて自分も他人も仏様に護られているかげがえのない存在であることを自覚して、困っている人がいたら慈悲の心をもって救いの手を差し出しなさい。

 

要約するとこんな感じでしょうか?

 

先日の一日寺子屋では、写経で御守りつくりの時、子どもたちにこのお話をした後に、このような人に成長して欲しいなぁという願いを込めてこの部分を写経していただきました。

7,8 2014 116

 

お渡ししたお守り袋の中に入っています(^^)

 

さてさて、長くなりましたが、

9月23日(火) ~彼岸の中日~ 11時より

秋季彼岸施餓鬼供養を当山にて執り行います、彼岸の期間は亡くなった方々の世界とこちらの世界が最も近くなる期間です。

 

こちらの世界から卒塔婆を立てて亡くなった方へ祈りを捧げて功徳と善根を積まれてください、卒塔婆の申し込みは当日当山でも受付いたします。お気軽にお申し込みください。

 

また、8日は11時より月例鬼子母神祭です。日蓮宗修法師によりますご祈祷を受けることができます。

こちらもお気軽にお参りください。