先日テレビを見ていましたら、「落語」ならぬ「泣語」というのがあるらしいです。
ご存知ですか?
「泣語」
ブータンの民族衣装に身を包み、話す様子は落語家さんと似たような感じですが、話し手さんがお話される内容は名の如くずばり「泣ける話」。
涙を流して心も体もすっきりしましょう。能動的に泣いて心も体もデトックスを!という「涙活」(るいかつ)という活動の一種らしいです。
なんでも、創作と実話、5分以内の話で最後は自分も泣いて人も泣かせる。ということでしたが・・・。
お坊さんをやっていますと、お通夜やお葬式、法要の場、何やかんやとお話をする機会が沢山あります。
「心を打つお話を!!」と笑っていただいたり、泣いていただいたりする時もありますが、なかなかこちらの想いが伝わらず、独りよがりの話になることも正直多々あります。練りに練って自信ありで話した内容が滑りまくって大汗かいたことも多々あります・・。
お話をする、自分の想いを誰かに伝えるというには大変難しいことです。
しかも5分以内???自分も泣いて相手も泣かす??いやはや・・更に難しいですね・・・。
何故こんなにハードルを高く・・・。きっと何かしらの理由あってのことでしょうが・・。
しかし、このような活動の場があるということは、どこかで心を動かされるような話を聞きたい。テレビや本よりもリアルな感動を呼び起こす生の声が聞きたいと思ってらっしゃる方が増えていらっしゃるのでしょうか?
そんな方々にお勧め致しますのが、お坊さんがされるお話、法話です。
お寺には人の生老病死、人生の節目節目に関わっていきます。色んな方々の想いが集まってくる場所です。その人と向き合い、人生と向き合い、一緒に泣いて笑って、一緒に死と向き合い、死してなお、その方と向き合っていく。
ここまで深く人の人生と向き合っていく仕事は他にはないと思います。そのお坊さんがされる話こそ、今の時代に求められている「語り」ではないかと思います。
お通夜の場であったり、法事の場であったり、有名なお坊さんでなくて結構です。近所のお寺の法要の場であったりとお坊さんのお話を聞く機会は意外とあるものです。
「坊主の話なんて・・・」とおっしゃらず、是非少し耳を傾けてください。
終活、涙活、色々あるようですが、きっと全ての活動に通じる今をよりよく生きるためのヒントがそこに込められているはずです。ぜひぜひお寺へいきましょう!「寺活」を!!