とうとう今年も最終日になってしまいました、今日は大晦日。今年も残すところわずかですね。

 今年あんまり良いことがなかったという方にも、今年は良い年だったなぁ・・・。という方にも、平等に新しい年はやってきます。

 古来より日本では「正月」というのは、「正月さま」「歳神さま」と言われる、その年の福徳を司る神様を家に迎える日なのです。現在でも残っている門松飾り、しめ縄などの正月飾りは幸運を授けてくださる「正月さま」を家に迎えるにあたってのものなのです。そして、正月には、今では数え年と言いますが、皆が一緒に歳を一歳とる日であったのです。

新しい年を新しい気分で迎える。

 昔見た「有頂天ホテル」という映画の中で汚職に巻き込まれ、命を断とうとする政治家に、篠原涼子さんがこんな台詞を言っていました

 「何のために大晦日があると思うの? 年が替わればいいこともある。新年を迎えれば新しい自分になれるわ」

 この一年、ほんとついてなかった・・・来年もどうせいい年じゃないんだろうな・・・。こんな風に思う方もいらっしゃるでしょう。

 この言葉は「一夜賢者経」というお経、お釈迦様の言葉です。

 「過ぎ去れるを追うことなかれ、未だ来らざるを願うことなかれ。

過去、そは既に捨てられたり。未来、そは未だ到らざるなり。

 されば、ただ現在するところのものを、その所においてよく観察すべし。

 揺らぐことなく、動ずることなく、それを見極め、実践すべし。

 ただ、今日まさに作すべきことを熱心に作せ。

 たれが明日、死のあることを知らんや。」

                       『マッジマ・ニカーヤ』

 簡単にいえば、【過去を追うな、未来を願うな、過去は既に捨てられた、未来はまだやってこない。だから現在のことがらを、現在においてよく観察し、揺らぐことなく動ずることなく、よく見きわめて実践すべし。】ということです。

 もうあと何時間かで新しい年になります。過去や未来の不安に捕われずに、新しい気分で新しい年を、一日一日大切に歩んでいきたいものです。

 皆様、今年も一年お疲れ様でした。来年もよろしくお願い致します。 

                                      義専

                        参考文献 【 「狂い」のすすめ  著 ひろさちや】