» 2024 » 4月
「私が死んだら骨は夫の隣に置いてくださいね」
お子さまやご親戚との付き合いもない檀家のおばあちゃんがそう仰られたのは、
ご主人をお見送りしてこの永代供養墓にお骨を安置した時でした。
ご主人の供養にご自宅に数年間はお伺いしていたのですが・・・。
徐々に体が弱くなり、もう一人では生活できないという事で4,5年前に施設へと入所されました。
「私達夫婦は残念ながら、子どもには恵まれませんでした。
駆け落ち同然で結婚したから親戚付き合いもあまり無くなってしまったんです。
けれどもね、その分夫婦で仲良く生きてきました。
だからね、先に逝ってしまった主人はすごく寂しがってると思います。
死んでからも一緒がいい。お骨を同じ場所、隣に入れてくださいね。」
その言葉とお顔を時折思い出しながら、元気にされているかな?
と気になっていましたら、今月の上旬、おばあちゃんが数年前に契約し、身元保証人になられた
「えにしの会」の方より「お亡くなりになられました」と連絡がありました。
「ついにご主人のもとへ旅立たれたのか・・・」
大晦日の夜、歩いてお寺までお参りに来ていただいたこと。
色んな思い出話をお聞きしたこと。
犬と一緒に仲良く暮らしていらっしゃった事。
寂しく思いながらも・・・。
きっとご主人と再会できることを楽しみしていらっしゃるだろうな・・・。
そう思いながら・・・
えにしの会の方と一緒にお通夜、葬儀を済ませ、ご主人の隣へと納骨しました。
この永代供養塔は十年前にお墓を管理する人がいらっしゃらない方々のために建設しました。
五十年間。法事や供養等、責任をもってお寺がお骨を管理致します。
その後は「合祀」します。
この永代供養塔には・・・
妙法蓮華経譬喩品第三の一節が書いてあります。
「仏教の門を持って三界の苦、恐畏の険道を出てて 涅槃の楽を得る」
仏様の教えによって、色んな苦しみ、恐しさ、怖さ満ちた世界から出でて、涅槃という究極の安楽を手にすることができる。
という意味です。
お釈迦様の下で、愛する人と一緒に、ずっと一緒に・・・。
どうか穏やかに過ごされてくださいね。
4月8日は仏教の創始者「お釈迦様」のお誕生日です。
このお誕生日のお祝いの行事を
「花まつり」と言います🌸
お釈迦様のお母様が出産の為に実家に帰られる途中。
休憩の為に立ち寄ったルンビニーの花園の中、花を取ろうと右手を上方に伸ばされたその時。
その右わきからお生まれになったと言われています。
生まれてすぐに七歩歩かれ、右手で天を左手で地を指し、「天上天下唯我独尊」(我にまさるほとけなし)と宣言されました😃
七歩歩かれたという事は、ぐるぐる生まれ変わる 地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上 の六つの世界
六道輪廻を越えて仏として生まれてきたという事を象徴し、
「天上天下唯我独尊」の宣言は、
私こそが生きとし生けるものを全て救っていくのだ
という決意表明でもあります。
花まつりは宗派を越えてほとんどのお寺で行われる行事です。
境内にルンビニーの花園に見立てた小さなお堂を作り、そこにお釈迦様の誕生された姿の仏像を安置し甘茶を注いでお参りします😊
これは、お釈迦様が生まれた時、喜んだ竜王が甘露の雨を注いだという伝説によるものです。
花まつりはインドで起こり、日本には奈良時代に伝わってきたと言われます。
当時は釈迦像に五種の香水を注いでいたようですが、江戸時代になると甘茶に変わっていきました。
甘茶は飲むとノンカロリーで抗アレルギー作用、抗菌作用など身体にとっても良いですよ😃
そして、甘茶で墨をすり紙に
「千はやぶる卯月八日は吉日よ
神さけ虫を成敗ぞする」
と書いて戸口に逆にして貼っておくと虫よけにもなるそうです。
当山の甘茶は 渡邊家の本家 山口県 鳴滝山 龍泉寺にて育っている
天然のアマチャの葉を乾燥させて、毎年送って頂いております😅
美味しいですよ~😃
そして、何故か毎年の恒例になっていますが・・・
駅弁についていた懐かしのポリ茶瓶容器にお入れしてお渡しします。
4月8日(月)11時~
「花まつり/月例鬼子母神祭」にてお配りしています😉
お参り、法話、おとき(昼食)まで入れて一時間くらいです。
参加費はお一人500円くらい(お気持ちで)😃
どなたでもお参りできますのでご遠慮なく是非お参りくださいね😃
4月に入りました😊
今月の吉凶カレンダーを掲載します。
桜の花も、もう満開寸前ですね!
境内の桜の花も皆さまの門出を応援するかのように咲き誇っています🌸
進学や就職、新しい生活を前に色々な不安を抱えていらっしゃる方も多いかと思います😃
今月のお寺の掲示板は一休さんの言葉です😉
室町時代の臨済宗の僧侶、一休さんは八十七歳という当時としては非常に高齢で亡くなられました。
お亡くなりになる直前・・・
「この先、どうしても困ったとき、苦しいときに開けなさい」
一通の手紙を弟子達に残されました。
数年後、弟子たちが宗門の危機に直面し、本当に困り果てその手紙を開けると、中には
「心配するな 大丈夫 なんとかなる」
そう書かれていたそうです。
その手紙を見た弟子たちは一同笑顔になり、落ち着きを取り戻し勇気をもってその大問題を解決することができたそうです。
どんな問題がおころうとも、まずは一呼吸。
なんとかなる。大丈夫。と自分自身に言い聞かせて
誰かに相談したり、手を借りたり。
その問題を一人で抱え込まずに、何をすべきか明らかにしていくことが大切です。
どうぞお一人で悩まずに相談されてくださいね。
皆さんの新しい門出、応援しております😊