仏教とは「仏の説かれた教え」という意味であり、この仏とは世界三大宗教の一つである仏教の開祖であるお釈迦さまを意味します。4月8日は、そのお釈迦さまの誕生日です。お釈迦さまの本名はゴーダマ・シッダッタといいます。「お釈迦さま」という呼び名は、その出身である釈迦族からとられたものです。

 お釈迦さまは天竺國(現在のインド)の北部(現在ネパール付近)を治めていた釈迦族の王さま・浄飯王と、その妃・摩耶夫人の間に王子として誕生しました。その誕生にはこのようなお話があります。

 摩耶夫人はある夜、六本の牙をもつ美しい白象が右わきから体に入ってきた夢を見ました。そこで、この夢の意味をバラモン(最高階級で僧侶や祭司ら)に占ってもらうと、「お妃さまは男の子をご懐妊になられました。この王子さまは必ずや釈迦族に繁栄をもたらすでしょう、もし出家しなければ世界を支配するという転輪聖王に、もし出家すれば真理を体得して偉大なるブッダとなられる方でございます。」との予言をうけました。

そして、10ヶ月後の春、摩耶夫人は出産のために里帰りをすることになり、途中休息で立ち寄った真紅の無憂樹の花が咲き乱れる‘ルンビニーの園’で沐浴を終えて林の中を散歩していました。その時、摩耶夫人の身体は黄金色に輝きはじめ、無憂樹の枝を手折ろうと、右手を上方に伸ばした時に、突然その右わきから一人の男の子が産まれ、産まれ出た王子を蓮の花がしっかりと受け止めました。そして、王子は自ら七歩歩み、右手で天を、左手で地を指し「天上天下唯我独尊」と高らかに降誕宣言をしたと伝えられています。

産道を経ずに生まれたということは、凡人とは違った偉大なる聖人を意味し、七歩歩んだ意味は私達衆生が六道という「地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界」を流転し続ける輪廻を超えて、仏として産まれてきたことを指します。そして「天上天下唯我独尊」とは「天にも地にもただ我ひとり尊い、我にまさるほとけなし」という意味で、のちに王子が「仏陀」となって、この世の人々を救済されることの予告的な宣言なのです。そして、お釈迦さまの誕生を喜んだ竜王が、甘露を注いで沐浴させたという伝説もあります。

4月8日、お釈迦さまの誕生日には、ルンビニーの花園に見たてて花で飾った「花御堂」に天と地を指さしたお釈迦様の誕生仏を安置して法要を行い、甘露を産湯としたという故事にならい、お釈迦さまの誕生仏に甘茶をかけて一般的に「花まつり」という行事としてお祝いするのです。

当山では4月8日 11:00~ 

「花まつり」を「月例鬼子母祭」とともに執り行います。参拝された方にも誕生物に甘茶を注いでお祝いをしていただき、来られた方におみやげの甘茶も用意しておりますので、どうぞお気軽にご参拝ください。