お盆、亡くなった方々が帰って来られる時期です。
毎年この年になると、テレビで「あなたの知らない世界」というちょっと怖い番組がお昼にやっていたのですが、最近はありませんですね。
実は結構恐がりなんですが、恐いもの見たさに子どもの頃はよくみていました。
先日、とあるお檀家さんの所でそこの家のおばあさんが、
「幽霊って、いるんですかね~」としみじみと聞かれました。
「え?なんでですか?」と聞き返しますと
「むかし、私が子どもの頃、親戚がみんな集まって叔母さんの家に泊まった時のお話です。叔母の家はとっても広い昔ながらの御屋敷でした。家には長い板の間の廊下があって、そこに鏡台がポツンとあったんです・・・。
夜中にトイレに行こうと廊下を歩いていましたら、ふと・・・・・・その鏡台に目をやると白い着物を着た白髪のおばあさんがじーっと、すわっていらっしゃったんです。
どこのおばあさんかなぁ?とは思いながらも「こんばんは~」と声をかけると、こちらを振り返らずーっと髪をとかしていらっしゃる。
なんか変だな?とは思ったんですが、用を足してまた廊下を歩くと、また一心に髪をとかしていらっしゃったんです。
次の日、叔母さんに、
「昨日廊下の鏡台のところで、おばあさんがいたんだけれど、あの人は誰?」と聞きますと、
叔母さんの顔はみるみる青くなって・・・・・・
「あれ!!あんたも見たのね?」
「実はね、あの鏡台のおばあさんは、お客さんが泊まる時にたまに出てくるんよ、こないだも私の友達が見てしまったのよ。夜、白い白い姿で、鏡台に座って一心に髪をとかしている姿。でもね、それが誰なのかはわからないのよ、あの鏡台もね~、この家に引っ越して来た時からあったものだから、いつからあるのかわからないのよ・・」
そう、叔母さんが言ってたんです、あれが幽霊っていうものだったんでしょうね~」
幽霊がいるのかいないのか、宗教間によっても、その方々の思想によっても様々な意見があるようですが、そもそも幽霊がいないことを証明することは、幽霊がいることを証明することと同じくらいに難しいそうですね。
「私は当然のことながら、先祖の霊や亡くなった方々の魂を供養したり、お祓いする立場にあります、だからではないですが、「いますか?」と問われたならば「いますよ」と即答します。
「いるの?いないの?」ということと、幽霊が「見える?見えない?」ということは実は違う事なのではないかなと思います。
以前、東日本大震災の被災地で「幽霊を見た」という方が続出されているということが、「サバイバーズギルド」という戦争や災害、事故や事件、虐待などから生き残った人達が、自分が生き残ったことについて後ろめたいと思う心理が働いている、というお話を聞きました。
見えた方にとっては、その事が真実であるし、人が千差万別である以上その人が感じる感覚も千差万別でしょうし、何しろ目は感覚器官であって、その情報を処理するのは脳ですから、それぞれが見える景色というのは必ずしも均一とは限らないわけですね。だから、色んな条件が重なった時、見えた方には見えているのでしょう。
何はともあれ、もうすぐ、お盆の期間です。
供養をするということは、亡くなった方を偲ぶことであり、いつまでも大切に想い、感謝すること、いつも護られているということを感じることです。いたずらに怖がる必要もありませんですね。