年末がいよいよ近づいてきました。

お寺の掲示板からです。

「煩悩」とは心をかき乱し、苦しみの原因になる心の働きのことです。

もっとやわらかく言うと、人間らしい欲や執着、怒り、不安、迷いなど、心を曇らせるもの全般です。大晦日に108回お寺で鐘をつくのは、「108の煩悩を一つずつ払う」という意味があります。

 

煩悩は大きく3つに分類分けをされています。これを「三毒」と言います。

貪(とん):もっと欲しい、手放したくないという欲

瞋(しん):怒り、憎しみ、イライラ
痴(ち):正しく見られない、迷い、無知

この三つが、ほとんどの苦しみの根っこだと言われています。

実は煩悩=悪ではありません。煩悩があるからこそ人は悩み、迷い、成長します。誰かに優しくなれることもあるのです。日々の生活の中で煩悩は尽きることはありません。

 

だからこそ仏教では自分の煩悩と向き合い、気づき、扱い方を学ぶことが大切だと説かれます。

 

「少欲知足」という教えがあります。

欲を完全に無くすのではなく、少なくして今あるものに満足すること。

限りない欲望に振り回されるのではなく、欲をコントロールして上手に付き合い、小さな満足を得ていく。という事です。

 

大晦日、お寺の鐘を聞きながらご自身と向き合う時間を少しとってみてはいかがでしょうか?